ノート


患者さんが精神科にくる、というのはいろいろなケースがあります。
自分から来る、もしくは家族に連れられてくる、というケースもありますが、ウチの場合は警察に連行されてくるケースがほとんどです。
警察に連行されて来る場合は、もちろん患者さん自身が入院する気で病院にきているわけではありません。
つまり、入院の用意はしてないわけです。 持ち物はそのときの所持品だけ。


そしてとある患者さんの話。 仮にA氏としておきましょう。


その人は、いつものように警察に運ばれてきました。
彼は身分証明をするものを何一つ持っていないので、誰なのかわからず「姓名不詳」という形でやってきました。
入院もすんで警察の人と所持品の確認をしていたときのことです。

バッグの中から一本の
サバイバルナイフと、真っ黒な表紙のノートが出てきました。
そこには、最初から最後のページまで真っ赤な文字で埋め尽くされていました。





























殺す殺してやる殺した食った殺す殺した食ってやる殺した殺す殺してやる殺した食った殺す殺した食ってやる殺した殺す殺してやる殺した食った殺す殺した食ってやる殺した殺す殺してやる殺した食った殺す殺した食ってやる殺した殺す殺してやる殺した食った殺す殺した食ってやる殺した殺す殺してやる殺した食った殺す殺した食ってやる殺した殺す殺してやる殺した食った殺す殺した食ってやる殺した殺す殺してやる殺した食った殺す殺した食ってやる殺した殺す殺してやる殺した食った殺す殺した食ってやる殺した殺す殺してやる殺した食った殺す殺した食ってやる殺した殺す殺してやる殺した食った殺す殺した食ってやる殺した殺す殺してやる殺した食った殺す殺した食ってやる殺した殺す殺してやる殺した食った殺す殺した食ってやる殺した殺す殺してやる殺した食った殺す殺した食ってやる殺した殺す殺してやる殺した食った殺す殺した食ってやる殺した殺す殺してやる殺した食った殺す殺した食ってやる殺した殺す殺してやる殺した食った殺す殺した食ってやる殺した殺す殺してやる殺した食った殺す殺した食ってやる殺した殺す殺してやる殺した食った殺す殺した食ってやる殺した殺す殺してやる殺した食った殺す殺した食ってやる殺した殺す殺してやる殺した食った殺す殺した食ってやる殺した殺す殺してやる殺した食った殺す殺した食ってやる殺した殺す殺してやる殺した食った殺す殺した食ってやる殺した殺す殺してやる殺す殺してやる殺した食った殺す殺してやる殺した食った殺す殺してやる殺した食った殺す






この手の患者さんでは、ノートに文字書きまくっているというのはよくあります。
また、殺人事件を起こした人が運ばれてくるということも結構あります。
にしても、すごく不気味だったこの一件。


A氏は最終的に、とある精神病院に行きました。 しかし、何者だったのか最後までわかりませんでした。
彼はいったい誰だったのでしょうか? そしてノートに書いてあったことの意味はなんだったのでしょうか。
単なる妄想か、それとも真実だったのか。 それを知る術はありません。





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